私の母はヴァイオリン奏者で音大で教えてもおり、そして母方の親戚も音楽家がとても多く、私は当たり前のようにクラシック音楽と共に育ち、そして母も自分のことに集中しており、後から思えばかなり放任状態で育ったため、親子2人3脚のレッスンや、コンクールとは無縁。でも(だからこそ?)音楽はものすごく好きなままでいられた。(親がやり過ぎて音楽から遠ざかる人の話はごまんとある。。)
レッスン室にはありとあらゆる楽譜が並んでおり、ピアノ譜もかなり揃っており、自然と知らない楽譜を取り出してはゲームのように譜読みをして、どんな曲かを知るのがものすごく楽しかった。なので気がついた時には、楽譜は最初から両手で弾くもの、という認識しかなく後でこれは結構すごいことかも?と気づいた。若い頃は反射神経も鋭く、ピアノトリオの譜面も、自分のピアノパートだけでなく、ヴァイオリン、チェロパートにまで目がいっていた。そうそう、母のヴァイオリンと姉のチェロ、私はピアノ担当でベートーヴェンとかのトリオの初見大会をするのが何よりも楽しかったのです!ゲームはなかったし、テレビも全く見てなかったから、読書とマンガ、そして音楽が何よりの楽しみだったのかもしれない。(練習はご多分にもれず嫌い💦)
話はそれましたがそんな生活の中、コンクールと無縁だった私は生徒さんにもコンクールとは関係なく、地道にコツコツとそしてのびのびと練習を積み上げて行った先に必ず、音楽の楽しさ、喜びを知る日が来ると信じていますが、最近思うのは、『コンクールを利用しない手はない』です。短い期間で目標を設定して、課題曲1曲を隅々まで理解を深める事ができるし、何よりヴァイオリンの上達がはやいです!
子供のうちから結果に惑わされず、チャレンジすることへの過程を最重要視して取り組むことは、その先の将来に起こり得るいかなる難題にもへこたれず、あきらめずにつき進めるという精神力が養われることは間違いないのです。何より結果じゃなく、チャレンジできた自分を誇りに思うことができ、自信が持てます。
私のお教室の生徒さんでコンクールチャレンジしている子も、結果ではないところに価値を持って行けているので何回もコンクールにチャレンジすることができています。もちろん結果がついてこれば嬉しいに決まっていますが、コンクールってある意味、井の中の蛙的(その時に受けている人のレベル運、審査員の運、地域差etc)なものなので、そこに一喜一憂しないで、着実に昨日の自分より今日の自分、という自分に向き合える時間と捉えて行った方が得ですよね。そしてそこに集中できるとコンクールってとっても楽しいのです♪
コンクールって一見、他者との競争の場に思えますが、違うのです!自分との対話の時間なのです。自分のために他者がいる、という考えにシフトチェンジしてコンクールを受けてみませんか?